はじめまして

mayusachi2005-07-28

 2004年11月26日午前0時23分。飛び出してきたわが子と初対面したとき、昔見たアニメのおんぶお化けを思い出しました。ピンク色の皮に包まれたはだかん坊。思わず「あなただったのね」と言っていました。ずっとお腹の中にいたのに、どんな顔で、何をしているのか、何を考えているのか知りたくて、エコーの写真を見てはあれやこれやと想像し、早く会いたいと思っていました。
 お腹の外に出た子は閉じている目を一生懸命開いて私を見ようとしていました。私のおっぱいを飲もうと口を近づけ、おっぱいをくわえましたが、私のおっぱいは陥没していて吸い難く、助産士さんに乳首を出してもらいましたがすぐにへこんでしまい、助産士さんは諦めてしまいましたが、生まれたばかりのわが子はそれでも陥没した乳首をくわえようと何度も何度もトライして頑張っていました。そんな姿を見て助産士さんは「私がさじを投げたのに頑張ってる、いい赤ちゃん」と言ってくれました。
 それから病院にいる間はやっぱり私の乳首は吸いにくく、赤ちゃんは思うように飲んでくれません。乳頭保護器というのを乳首にあててようやく飲んでくれるようになりましたが、小さな赤ちゃんの口に入るとむせてしまうような大きな保護器はつけるのも洗うのも面倒くさく、母乳育児で頑張ろうとしていた私の行く末を真っ暗にしました。
 昼夜関係なく、40分間隔くらいで泣く、おっぱいをあげる、どうにか吸い付く、疲れて眠る、泣く・・・の繰り返しでした。4日目くらいのある夜は明け方まで泣き声と格闘した末、睡魔が襲ってきました。何をしても泣き止まない赤ちゃんをどうにもできずに途方にくれ、赤ちゃんを私の胸に乗せてベッドに倒れこみました。すると、不思議とピタリと泣き止み、寝息を立てて眠りました。薄暗く、冷え込んできた外。布団もかけずに二人して白む空に導かれて静かに眠りに入っていきました。
 私も赤ちゃんも頑張っているわりには体重がどんどん減り、退院したときは生まれたときより300gも少なくなっていました。